タブレットの配布、ようやく終わったそうな

Teacher

ジャマイカ政府が進めている Tablets in Schools Project について、昨年の9月に「タブレットの配布が始まったそうな」という記事を書きました。

あれから半年弱が経ち、ようやくタブレットの配布が終わったようです。

最後の学校は Rio Bueno Primary Schools。

校長先生は ‘anytime, anywhere’ learning と言っていますが、 ‘anytime, anywhere’ game にならないことを祈るばかりです。

それにしても、タブレットの配布に約半年も掛かるとは思っていませんでした。

しかし、ここはジャマイカ。日本と同じ感覚ではいけません。

日本だったら、新学期の始まる4月に一斉に配布されるんでしょうね。

ソース: Rio Bueno Primary gets tablets

タブレットの配布、始まったそうな

???????????????????????????????

いよいよ公立学校の生徒へのタブレットの配布が始まりました。

今年は38の教育機関に約25,000台のタブレットが配布される計画です。

日本人的に考えると、新学期が始まる前にタブレットの配布は済ませ、新学期開始と共に生徒が一斉に使用開始できるように計画を進めると思います。

しかし、ここはジャマイカ。

タブレットの配布は始まりましたが、もう何日も前に新学期は始まっています。

しかも、一斉配布ではなく、五月雨式に配布される予定だそうです。

ある高校でスペイン語を教えている先生は「うちの学校にはまだタブレットが届いていない。いったいいつになるんだ。」と嘆いていました。

そのあたりの情報共有は十分にはなされていないようですね。

このプロジェクトに限らず、ジャマイカではこういうやり方が一般的なのでしょうか?

何はともあれ、タブレットの配布開始は大きな大きな一歩です。

このタブレットプロジェクトは私のメインの活動とは異なりますが、何かしらの形でこのプロジェクトを盛り上げていけたらと考えています。

ソース: First Students Receive Tablets Under E-Learning Project / JAMAICA INFORMATION SERVICE

St. ThomasでのPeace Corpsの活動

PeaceCorps

私自身の活動と直接関係はありませんが、お隣のSt. ThomasでPeace Corps ボランティアがIT の分野で活動しているので、その紹介をします。

現在、St. Thomas のBath Primary & Junior High School にはPeace Corps ボランティアが派遣されています。

彼らは学校にCommunity Computer Center を開設し、コンピュータやインターネット接続などを提供する予定です。

昼間は教師や生徒が授業の中で利用し、放課後と週末は地域の人たちに開放することで、リソースを最大限活用し、学校や地域の人たちのニーズに適応したIT 環境を提供できるものとなっています。

2014年6月のグラウンドオープンに向けて、機器の設置や管理者のトレーニング等が現在行われています。

このプロジェクトに関する様々な情報がWeb 上で公開されているので、興味がある方は下記リンクを参照してみてください。

Bath Community Computer Center

彼らはIT に関する知識を有しているだけでなく、アメリカでの教師経験が豊富な「教育のエキスパート」でもあります。

私自身の活動の中で、どうすればChromebook を授業の中で有効に活用できるのか?について悩んでいたところなので、ぜひ彼らの力を借りたい、また、良い形でのコラボレーションを考えていきたいと思います。

これは、私自身の活動を大きく飛躍させる、とてつもなく貴重な出会いになるかもしれません!

 

EduVision2014への参加

DSC02505

教育におけるICT活用に関する知識の獲得、ジャマイカが現在抱えている教育に関する問題点への更なる理解、及び、関係機関との人的ネットワークの構築等を目的にEduVision2014に参加してきました。


開催日時

2014年3月18日(火)・19日(水)

会場

Hilton Rose Hall Resort & Spa @ Montego Bay

概要

テクノロジーによる教育の質の向上をコンセプトとした国際カンファレンス/エキシビションであり、前記コンセプトに関連/賛同する省庁や政府機関、民間企業などが集結し、教育におけるICT活用についての意見交換、及び、技術の紹介を行う。


EduVision2014開催中の2日間、様々なプレゼンテーション、ワークショップ、パネルディスカッションが実施されました。

その中で、自身のボランティア活動内容に関連の深いものについて紹介します。

■WORKSHOP #1 Classroom Management Tools■

DSC02489

e-Learning Jamaicaは現在ジャマイカ全土の公立学校にタブレット端末を導入するプロジェクトTablets in Schools Projectのパイロットプロジェクトを推進している政府系機関です。そのプロジェクトにおいて、彼らがデバイス管理とクラスルーム管理のために使用するソフトウェアの一例が本ワークショップにて紹介されました。デバイス管理にはTAB PiLOT 、クラスルーム管理にはRadix SmartClass というソフトウェアが使用されていました。共に既製のソフトウェアであり、使用するにはライセンスの購入が必要な有料ソフトウェアです。ここではソフトウェアの詳細は割愛しますが、共にWi-Fi接続を前提としており、IT管理者(もしくは教師)はネットワーク越しにタブレット端末を管理することができます。「ネットワーク越しの端末管理」という点では、私自身の活動であるRio Grande ProjectにおけるGoogle Chrome Management Consoleと同じ機能です。しかし、(すべての機能を把握しているわけではないですが)Radix SmartClassの方が生徒端末を管理するための機能が充実しているように感じました(例えば、教師端末上に生徒の画面を一覧で表示する機能、教師の画面を生徒端末に投映する機能、生徒端末をロックする機能など)。

DSC02479DSC02482

なお、本ワークショップでは参加者用に複数台のタブレット端末が用意されており、それらはすべてSamsungのGalaxy Tab 2 (GT-P5110) でした。また、管理ソフトウェアとして前記の通りTAB PiLOTとRadix SmartClassが使用されていました。しかし、実際のパイロットプロジェクトでは4社のサプライヤーがそれぞれ異なったタブレット端末・管理ソフトウェアを提供することになっているそうです。つまり、4種類の異なったソリューションが提供され、パイロット期間に性能・機能比較される予定です。

<ソリューション一覧>
(1) Radix SmartClass, NetManager
(2) 3CX mobile device manager
(3) AirWatch mobile device manager
(4) Citrix XenMobile device Manager

■WORKSHOP #2 Tablets Integration■

DSC02502

e-Learning Jamaicaはタブレット端末だけでなくインタラクティブホワイトボードの学校現場への導入も推進しています。本ワークショップでは、インタラクティブホワイトボードMimio Boardが紹介されました。タブレット端末と共に導入することで、より双方的で協同的な授業を可能にします。ワークショップのタイトルから、タブレット端末とインタラクティブホワイトボードの連携についての話を期待していましたが、Mimio Boardの紹介に留まったため、その点は残念でした。今後どのように教育現場でタブレット端末とインタラクティブホワイトボードが連携していくのか、期待して見ていきたいです。

■WORKSHOP #3 Using OERs in the Flipped Classroom■

ted-ed

Flipped ClassroomにおけるICT利用に関する内容でした。Flipped Classroomという言葉は初耳でしたが、日本語では反転授業と呼ばれ、「生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業」のことです (Wikipediaより)。本ワークショップではFlipped ClassroomにおけるICT利用の具体的例としてTED Edが挙げられていました。教師はTEDが提供する動画にクイズなどを付加してオリジナルのレッスン動画を作成し、公開することができます。そのレッスン動画を活用して、Flipped Classroomを運用するというのがワークショップの大まかな内容でした。TEDは良質な教育コンテンツを無料で提供しており、Flipped Classroomだけでなく教育現場の様々な場面において有効活用できると感じます。

■全体を通した所感■

DSC02471

普段は教育省支局のオフィスでパソコンに向かっていることが多いため、この2日間は非常に刺激のある貴重な経験となりました。また、普段はなかなか会うことができない教育関係、及び、IT関係の方との交流が持てたことも、非常に大きな成果です。
自身のボランティア活動に関連する内容としては、e-Learning Jamaicaのワークショップを通して、教育現場におけるクラウドコンピューティングの有効性を感じたと共に、安定したWi-Fiネットワークの供給が必須であることを痛感させられました。どれだけコンテンツが充実していても、クラウドコンピューティングである以上はネットワークが安定していなければ、非常に使い勝手の悪いシステム、最悪の場合は全く使い物にならないシステムとなってしまいます。特にGoogle Chromebookは、e-Learning Jamaicaのタブレット端末とは違い、完全にクラウドに依存したシステムのため、ネットワークの供給について細心の注意を払っていかなければなりません。また、ネットワークと共に重要であると感じたのは、教師へのトレーニングです。EduVision2014のワークショップやプレゼンテーションにおいて、システムの機能自体の紹介はよくされていましたが、もう1歩踏み込んで「教師が生徒に対してこういう使い方をすればこんな効果がある」といった具体的な使用例や成功例の紹介があまり見受けられませんでした。しかし、教育におけるICT活用において、最も重要なのはその部分であると考えています。実際に教育現場で子供たちに対してICTを使うのは教師です。その教師が、ICTの効果を理解し、有効活用できなければ、教育省やIT管理者がどれだけ優れたICT環境を提供しても無意味になる可能性があります。私自身の活動において一番力を入れたいと考えているのが教師へのトレーニングであるのはそのためです。e-Learning Jamaicaがこれから本格的に教師に対するトレーニングを開始するため、積極的に連絡を取り、より連携を強めながら、残りの1年3ヶ月の私自身のボランティア活動をより良いものにしていきたい。

DSC02516

そして、EduVision2014最後のひとコマ。

なぜか司会者が熱唱するっていう。しかも3曲も。

やはりジャマイカ、まだまだ奥が深い。

ジャマイカの幼稚園にもタブレット端末導入

tablet

以前の記事でジャマイカの小中高校にタブレット端末が試験導入されるという記事を書きましたが、さらに幼稚園 (Basic School) にも導入されることになりました。

試験導入の段階では端末は無料で生徒に配布され、将来的には保護者が一部負担することになっています。

「一部」というのがどの程度なのかはまだ不明ですが、従来の学費に+αとなると一般家庭にとっては歓迎するものではないかもしれません。

また、家計の負担増に見合った効果を出さなければ、ジャマイカ全土に向けたスムーズな展開は難しいでしょう。

髙い効果を出すために、タブレット端末の配布に加え、教育現場において端末を有効活用できる教師の育成にも是非注力していただきたいです。

ソース: Basic school students to get computer tablets / Western Mirror

ジャマイカの公立学校にタブレット端末導入

ジャマイカでは、e-Learning Jamaica Company Ltd. (e-LJam) という政府系の組織が公立学校におけるe-Learningの促進を担っています。

現在、e-LJamがジャマイカの公立学校の生徒と教師を対象に、タブレット端末を配布するプロジェクトを進行中です。

TabletstoSchools

まずは試験導入ということで、ジャマイカの小中高校併せて37校に30,000台のタブレット端末が配布される予定です。

現在タブレット端末の調達をしている段階で、今年の5月か6月には届き、9月から始まる新年度から現行現場で活用していくと担当者は語っています。

このプロジェクト、去年の9月から始めるということになっていたはずですが、結局1年遅れたようですね。

私自身の活動と非常に近い内容なので、e-LJamとの連携を視野に入れながら、いや、むしろ、向こうの方が圧倒的に規模が大きいので、胸を借りながら、自身の活動を進めて行きたいと考えています。

ソース: 37 schools to get tablet computers by May/June, state minister says / JAMAICA OBSERVER